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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

成海舞「願望図鑑」(イーネット・フロンティア、監督:上村知之)

 鬼才として知られる上村監督が満を持して放った新シリーズ。成海舞をモデルに、「生音にこだわる」を一大コンセプトとして送る。

 男性カメラマンが写真モデルを募集。1人の若い女性(成海)が軽い気持ちで送った応募メールを確認すると、早速プライベート感あふれる撮影を開始する。
 成海の部屋へ押しかけ、彼女の上着やスカートをまくったポーズにシャッターを連射。場所を旅館に変えると、隠し置いたハンディーカメラで成海の浴衣姿や着替えを撮っていく。「胸揺らして…」「腰を動かして…」という卑わいな要求がテロップに浮かび上がる。
 カメラマンの不穏な雰囲気に気づいた成海は途中で撮影を拒絶するが、半ば強引に続行。下着姿での目隠しなど、相手の要求はエスカレートしていく。身の危険を感じたのか、成海はカメラマンとの連絡自体を絶つが、時すでに遅し。彼女の自宅を知っているカメラマンは、就寝中のところへ踏み込んで――。

 見終わって、倒錯的な内容に、1990年代に多く見られたVシネマの雰囲気を思い出した。IVの新機軸をつくり出そうとする上村の心意気が伝わってくる、野心的な力作と言おうか。
 一般的なアイドルDVDというと、とにかく南の島、海辺で開放的に水着姿ではしゃぐアイドルの姿を連想しがちだが、本作品はそういったイメージから対極のところで構成されている。
 モデルとカメラマンとの間に緊張感が走っているのも、新鮮でいい。心ならずもセクシーポーズを取らされることに恥じらい、表情をこわばらせる成海には惹(ひ)かれるものがある。その一方で、1カ所だけ、成海がカメラマンに心を許したように「フフッ」と素になったような笑みをこぼす場面がある。そこには圧倒的なエロスを感じるのだ。

 「願望図鑑」シリーズは来月、戸田れいで第2弾がリリースされる。果たして第1弾を超えることができるのか、楽しみだ。