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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

安藤沙耶香「AQUA」(ぶんか社、監督:上村知之)

オリコンの安藤沙耶香・井川祐輔結婚のニュース

 ファッションモデル兼グラビアアイドルの安藤沙耶香が、結婚を発表した。
 1歳年下のお相手はJリーガー、フロンターレ川崎の井川祐輔選手。入籍は9月にすませており、リーグ公式戦終了を待っての発表だった。

 近年はモデルとしての活動に絞っていたが、安藤の芸能活動はグラビアが出発点だったと言える。大学卒業後からの活動なので、デビュー時は23歳。当時ではかなりの年齢的なハンディがあったが、彼女は大学時代に取得していた「教員免許」を最大の武器にする。
 白ブラウスに黒のタイトスカート…一見色気を抑えたこういう組み合わせの衣装で「女教師」風の悩ましいグラビアを飾る安藤の姿が当時、何度となく見られた。長い髪に深いまなざし、堅めの衣装で包まれた肉感的なスタイルはビキニ姿になるとギャップが映えた。おとなの女性をプンプンにおわせながら、口を開くと舌っ足らずのアニメ声。これまたギャップの魅力を醸し出していた。
 青年誌の老舗、『週刊ヤングマガジン』は安藤に目をつけ、2006年ごろから頻繁にグラビアページへ起用し始める。ムチムチしたボディーを強調するY字型の派手な水着を着た安藤が、何度となく雑誌の表紙を彩った。『ヤンマガ』がつけた彼女のニックネームは「大間のマグロ女」。ともかくインパクト抜群のあだ名をつけ、安藤を大プッシュしていた。

 安藤は2007年、グラビア活動以外で世間の注目を浴び始める。甲子園で名をとどろかせ、ヤクルトにドラフト1位で入団した仙台育英高校の155キロ右腕、佐藤由規(現・由規)が実習生時代の教え子(中学)だったことが判明し、両人別々のインタビューでお互いの印象が語られた。
 確か『プレイボーイ』だったが、由規は実習生で来た安藤を見て友人同士で「こんなキレイな先生が来るなんて!」と驚き合ったそうである。また安藤も、当時ルーキーの元教え子に帽子とメガホン姿でエールを送るなどしていた。このころからファッションモデルの活動もグラビアと並行して始めており、個人的には2007〜08年あたりが一番安藤の充実した時期じゃないかなーとみている。こう書くと偉そうで恐縮ですが。

 08年以降はグラビア活動自体が下火となり、写真集もDVDもリリースがパタッと止まる。ただ雑誌グラビアは『ザ・ベスト』『月刊エンタメ』などの表紙を定期的に飾っており、私などは「依然、安藤のグラビア需要は衰えていないのだな」と合点して彼女のグラビア復帰をひそかに願っていたものである。

 そこからしばらくしての安藤の結婚発表。めでたい話だが、やはりどこか一抹の寂しさがぬぐえなくて、私は安藤の出演したDVD「AQUA」を久しぶりに引っ張り出して視聴している。実に6年前、2005年リリースの作品だ。発売元のぶんか社は現在DVDからは撤退しており、時代を感じさせる。しかし監督は、今第一線を張る上村ということもあり、今見ても色あせないクオリティーを感じさせる部分が随所に感じられる。

 05年のIV界というと、かなり着エロが幅を利かせていた一方で、正統派グラドルの作品演出はかなりぬるめだった時代である、ざっくり言うと。そうした時期において、当時はまだ新進の存在である上村の演出は冒険に満ちたものとなっている。
 序盤は耳障りなほどでかいBGMが鳴る中、廃虚(当時の超定番)で銀色のV字型水着に身を包んだ安藤がカメラを見つめながらポージングしていく。ここまでは言ってみれば「並」の演出・構成なのだが、その直後のチャプに部屋着姿ですっぴんの安藤が映るので「おっ」と思わせる。オフショットの体で、入浴から寝るまでの過程を撮るとはにかみながら説明する安藤。実際には茶色のビキニを着けてアンニュイにシャワーを浴び、ゆっくりした手つきで胸や尻に洗剤を塗りつけていく。入浴前に説明するすっぴん姿との大いなるギャップで引き込まれる。演出の妙というやつだ。
 リラックスした部屋着でのオフショットはその後も本編と交互に挟まれる。赤や青、白の鮮やかな各種ビキニで上目づかいをしながら体をくねらせる安藤、寝る前に歯磨きしながら「こういうの見て、楽しい?」「まっへへ(待ってて)」と言うチャーミングな安藤…私たち視聴者は、彼女のオン・オフを交互に見せられ、程なく彼女の虜となっていく。今風の大胆な接写こそ少ないが、安藤のムッチリした体を真摯に撮り続けているのには好感が持てる。

 しかし何をおいても、今作のクライマックスは風呂場のシーンだと強く思う。薄緑色のチューブトップビキニを着用した安藤が、生音の空間の中でカメラ視点の恋人と入浴タイムを楽しむ。既に使いこまれて小さめサイズとなったせっけんを安藤が必死でこすり泡立て、上目使いで恋人の体を薄笑いしながら両手を上下して洗い始める。
 ここで作品全体のハイライトがやって来る。安藤は自身の体を石けんを当てながら洗うのだが、胸を洗っているときに石けんがポロリと胸の谷間へ落ちるのだ! それを見届けた安藤は、「んふっ!」と甲高い声で口を両手で覆い照れ笑いする。そのキュートさに、思わず彼女を心の恋人にしてしまった視聴者は多いのではなかろうか。まあ、私がそうだったんですけれどもね。ともかく、この風呂場のシーンはIV史に残るクオリティーだと断言できる、そうさせていただく。

 本編は、朝起きて間もない安藤の「ロケ行ってきます」の一言で締めくくられるが、その後のメーキングもサービス精神に富んだ安藤の姿が見られる。先ほどの風呂場のシーンを撮り終えた後に「なんかオシッコしているみたいじゃないですか」と股間から水滴が垂れ続けている模様を撮らせたり(しかも「これぜひメーキングで使ってください」と進言している!)、白ビキニでの撮影の合間では「私のおっぱいチョー軟らかい…」「サービスサービス」とつぶやきながらバストを上下左右に小刻みに揺らすショットを披露している。全身是グラビアアイドル!というほどのプロ意識での取り組みぶりにあっぱれであった。この直後にやって来る、松金ようこ相澤仁美伊藤えみ西田麻衣らが台頭するIV過激化の時代(言うまでもなく、その先頭に立った演出家の一人が上村)に安藤も乗っかっていれば…と私はせんなきことを考えていたりする。

 以上、つらつらとつづった私のセンチメンタルな思い出と「AQUA」レビューをもって、安藤さんと井川選手の結婚を心から祝いたい。ご両人、おめでとうございます。