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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

石田紗英子「晴れのちドキドキ」(竹書房、監督:中村直彦)

 IVには、「異業種もの」というジャンルがある。どういうものかというと、ざっくり言ってグラビア活動を専門的にしていない人々のIVをさす。
 たとえばキャスター、気象予報士、スポーツ選手をモデルにしたIV全般を「異業種もの」と分類して良いだろう。
 もっと踏み込めば、女優や歌手の出演するIVも「異業種もの」に混ぜてよいと私は思う。雑誌などの紙媒体では、女優や歌手のセクシーグラビアが単発で載ることも珍しくないが、これが映像作品(IV)だと数自体がぐんと減る。それだけIVは特殊な表現ジャンルといえよう。

 近年はビーチバレー・浅尾美和のIVが3万枚売り上げたことや藤川優里を走りとする「美人すぎる○○」の大量普及もあいまって、異業種もののIVのすそ野が広がったように思える(実際に藤川も政治家として異例のDVDをリリースしている)。ただ私は、この手の作品をこれまでほとんど購入してこなかった。まあDVDショップに並んでいるキャスター・中田有紀や卓球・四元奈生美らのIVをパケ写チェックはするのだが、どこそこを旅しました、ちょっと露出度の高い衣装を着てみました…的な内容にとどまっているおとなしい作品だというのが、その時点で分かるのである。
 2010年初頭には、処女作IVを出すという甲斐まり恵が雑誌グラビアでかなり大胆な水着ショットを披露。しかしリリースしたIVの内容はネット上では散々なものであった。やはり現代IVの肝をなすのは接写、大胆なポージングである。その点で、いくら水着を着てもお人形さんのように突っ立ったり寝転がっていたりするだけのシーンが大半を占める異業種IVは、まだまだ発展途上にあるジャンルだ。

 ただ最近は、大胆なポーズや接写にも果敢に挑む異業種IVが出始めている。そのさきがけとなるのが料理研究家森崎友紀の処女作「Period」であり、今回紹介する気象予報士石田紗英子の「晴れのちドキドキ」であろう。

 森崎の「Period」(監督:上村知之)は2010年12月に発売。ナシゴレンの調理シーンに多く時間を割いたきらいはあったが、柔軟な身体を生かしてのビキニでの四つん這い、ホットパンツ姿でのストレッチには目を見張るものがあった。寝ながらY字開脚のシーンでは股間側からの接写がないのが非常に残念であったが、それでも「異業種IV」の演出に新たな可能性を感じさせた貴重な作品であった。

 昨年末に発売された石田の「晴れのち―」は、森崎の作品まで異業種ものには見られなかった「接写」に重点を置いた作りになっている。
 どこを接写しているかというと、バスト。基本的に顔を同時に映し込んでいるので画面にドーン!というような迫力あるカットは少ないが、量感のある胸のくっきりした谷間を複数パターン、丹念に撮り続けている。

 序盤、ピンクのキャミソール姿で登場した石田。カメラ目線の恋人にスクランブルエッグとウインナー(石田のくわえカット一瞬だけあり)の食事を楽しんだ後、ソファに寝そべる一連のショットがいい。うつ伏せ、横臥で圧迫される石田のバストに、うっすらと青い血管が見えてくる。
 眠気を催した体の石田の演技にも、なかなかそそるものがある。寝転びながらうるんだ瞳の上目使いで「腕枕して…」と甘え、すやすやとシエスタ。ふと目を覚まして、「寝ないの?」といたずらっぽくほほ笑む。私が恋人の立場だったら、谷間が気になってとても眠れねえな。そうした視聴者側の動揺を見透かし、楽しむような石田の視線の演技はなかなか堂に入ったものである。

 ビーチではピンクストライプのビキニを披露する。白シャツを一枚羽織っているのにまゆをしかめたが、途中で脱いで一安心。バストを小刻みに揺らしながら、砂山のトンネルをこしらえる。IV初心者の彼女としては、内心(31歳にもなって、何でこんな子どもみたいな遊びを…)などと考えたかもしれないが、恋人に協力を申し出るセリフ「一緒に開通しよっ!」が何気なくエロく聞こえた。
 プールでは黄色のワンピース(これもカーディガンを羽織り、途中で脱衣)に身を包んでウオーキング。プールの階段の手すりを利用しての胸寄せのほか、クルッと半回転して無防備となったお尻をカメラが接写でとらえる。生地が下半身にピッチリ張り付いているので、ラインが結構なまめかしい。またローアングルからの、やや股間を強調したショットも見られる。
 屋内ではバランスボールを使用したストレッチにチャレンジ。緑のストライプビキニ+ホットパンツ姿でボールに腹ばいしたり、足を乗せて腹筋運動したり…。いつの間にか胸の谷間にたまった汗をいとわず体を動かす彼女には、健康的なセクシーを感じることうけあいである。

 さて、この作品で石田はCA(キャビン・アテンダント)の制服姿を披露している。さすが元本職、169センチの長身だけあって制服が映える。ただ、該当チャプターではベッドでリラックスするだけであり、脱衣シーンはなし。シャツのすそが飛び出た後のわき腹チラを楽しむことができるくらいだ。
 家庭教師のチャプターは、この作品的に一番エロスな演出を施している…のではあるが、その辺は厳しく見ざるを得ない。ニットのノースリーブ服をたくし上げ黒ブラジャーを見せる場面は、異業種IVにおいては異例の試みであろう。しかし、ブラの露出が少ない、時間も短いというのはまことに残念である。ポージングもおとなしめ。下着姿となって雰囲気たっぷりにソファに寝そべり、両ひじで胸寄せしたのがわずかに一矢報いたくらいの印象である。

 作品全体を振り返ってみれば、良かった点と悪かった点が半々あるといったところ。ただこれまでの異業種IVと比べれば、かなり「本職」寄りの演出に挑んだ、今後へ価値ある内容だったと思う。上村や中北のような派手さはないが丁寧な中村の演出スタイルは、こういった異業種ものにうまく対応しているかもしれない。
 聞くところによると、石田本人は作品ダイジェストのキャプ画像群を見て、あまりのエッチさにへこんでしまったという。第2弾は本人の意向を考えれば期待薄といった現状だが、作品のセールスは順調でいまだにアマゾンランキング10位内をマークしている。
 そして彼女の事務所は、もともと異業種タレントだった優木まおみを国民的グラドルに押し上げた生島企画室(社長は生島ヒロシ)である。新たな魅力を開花させた石田のグラビアが単発に終わらないよう、生島氏の手腕に期待したいところだ。

 さらに2月には森崎友紀、3月にはプロフィギュアスケート選手の澤山璃奈(2作同時)が新作を発表する(※)。彼女らの作品が一気に異業種IVのセクシー度を上げることになれば、停滞するグラドル界も面白い展開になりそうなのだが…。


(※)頻繁ではないが継続的に週刊誌に水着グラビアを掲載し、複数枚のIVをリリースしている澤山を単純に「異業種」扱いしてよいのかは、意見が分かれるかもしれない。ただ彼女の本業は何かと問えば、現時点で「フィギュア」となるのは間違いないだろうということで、私は異業種にカテゴライズしている。