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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

太田千晶「性善説」(イーネット・フロンティア、監督:安倍雄治)

 2作品ぶりの安倍演出、これで太田×安倍の顔合わせは通算5本目となる。

 狭いIV業界、同じグラドルと監督の組み合わせが2本3本続くのはザラであるが、太田の場合2010年末のグラビア復帰以降、リリースした6本のうちの5本が安倍演出という塩梅だ。飽きやすい人の多いであろうネット界隈じゃ今作品を「マンネリ」とバッサリ評する声も少なくないが、なかなかどうして新機軸をひねり出してもいる。

 チャプター4でのベッドシーンが出色だ。エロいボディコンワンピ姿の太田は、謎の手にベッドへ押し倒される。そしてその手に黒ストッキングを脱がされ、今度は優しく両肩に手が置かれる。
 緊張感のあるシーンだ。初めは戸惑いの目つきを見せた太田が穏やかな表情を浮かべ、相手のストッキング脱がしに腰を浮かせて協力するのが大人のエロスを醸し出す。

 今作の真骨頂はここから。黒の下着姿となった太田の媚態(びたい)は、何気に前作までを凌駕(りょうが)したパフォーマンスといえよう。後ろ向きで中腰となり尻を左右にゆっくり揺らす、あお向けから腰を悩ましく突き上げる…。太田は以前まで、どちらかというと攻撃的なポージングで自分を表現するタイプではない印象があっただけに、意外であった。接写も威力十分である。

 衣装に下着を選んだのもナイスだったと思う。昔の2時間サスペンスとか、いわゆる愛人的な役回りをするセクシー女優さんがベッドシーンなどで身につける下着の色は黒とか紫とかが定番の色だった。あくまで私の記憶によるイメージだが、昔はその手の色の下着をつけること(またその人)について忌む風潮が確かにあったのである。
 今や下着もファッションの一部として「見せる」要素が大となり、町中でフツーの娘さんが肩の黒ブラ紐を見せて歩く姿は珍しくもなんともない。
 しかし今作品、太田のようなゴージャス美女が豊満な肢体を黒の下着で包み、相手を誘惑するポーズはかなり見る側の妄想を刺激するものがあった。太田が「昭和」を思い起こさせるような古風な顔立ちというのもあろうが、「黒下着」ってのはやはりエロスを増幅させる上で特別な要素があるなと再認識した次第である。

 注文をつけておきたいのは、先のボディコンワンピのシーンを引っ張りすぎであるということ。何しろ冒頭の酒場、車の中、そして先述のベッドと実に3つのチャプター、約30分間の衣装が同じボディコンなのだ。これはちょっと、構成・演出の手抜きと思われても仕方がないと思う。

 風呂場の腰を突き出し、画面へ振り向き悩ましい表情を浮かべる尻洗いも良かった。このシーンでは上半身を謎の手に洗われ、胸や腹を執ように愛撫される新たな試みもある。決して「マンネリ」と一くくりにできない、内容に新味を持たせようという演出の苦心を垣間見る作品である。
 もっとも、次回作もまた安倍がメガホンを取るのなら、今までしたことのない女教師もの、義理のお姉さんもの―安倍の得意分野といえる―にチャレンジしてほしいものだが。