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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

よしのひろこ「エレガ」(竹書房、矢沢隆則)

 1981年生まれ、31歳にしてグラビア界に乗り込んだ、よしのの処女作IV。竹書房不定期で発行しているシリーズ「エレガ」の第4作である。

 昨年11月発売、当時は全くのスルーだったのだが、ふと彼女のブログをのぞいてみると結構驚くことがあった。

 1月30日の「レビューありがとう」という記事。そこでよしのは、「エレガ」のレビューを書いてくれた人あてにお礼の生写真を送り、ようやくその作業を一段落させた旨を述べていた。
 いやはや、思わず目からウロコな思いがした。丸坊主がどうたらこうたらと、ここのところ例のグループの特異性にうんざりしていたもので。
 よしのは、レビューした人々からtwitterやFacebookで連絡をもらい、人数分の写真作成(A4サイズとのことで、かなりデカい)、郵送に取り組んだようである。
 それで1月末に生写真の郵送が終了したというのだから、「エレガ」発売から約2カ月間は作業に取り組んだということになろうか。Amazonのレビューは合計11件あったが、ほかのサイトでレビューした人もいるとすれば、やはり10人以上に生写真を送ったということか。

 こうしたファンへのサービスは、寡聞にして知らない。いや、非常に良心的で、好感の持てる取り組みだと思う。
 まずサービスを受ける手続きがシンプルで、金も大してかからない。まあDVD1枚の値段約4000円(CDシングル3〜4枚分)が高いか低いかはいろいろ議論がありそうだが、例のグループみたいにCDの購入数でサービスの度合いが分かれるとか手続きが煩雑になるとかないのがまずいい。てかあのグループの煩雑なサービス手続きはなんなの? まあそれはさておき。
 また握手会がどうたらいう「会いに行く」という行為が省略されているのもいい。日程調整、交通費などの負担がかからずにすむので、社会人にとってはありがたいことだ。
 それに加えてアイドルの側も(できるだけ周囲の力を借りず、自分のペースで)相応の労力を注いでサービスするなら、受け取る方はそりゃあ参りますわね。「心のこもったプレゼント」と感じること一入(ひとしお)でしょう。
 アイドルと会うということにあまり興味のない私のような人間には、ほどよい距離感を取ったよしののプレゼントの方がよほどありがたみを感じる。まあもらったわけじゃないけどさ。そういうことをつらつら考えて、よしのの活動は多くのグラドルに参考にしていただきたいと思うに至った。

 ようやく本題に入る。当然、よしのの「エレガ」のレビューである。
 「エレガ」シリーズの内容は、ハイレグやTバックなど露出度の高い衣装をモデルが着こなすのが特徴と言えようか。今作でも例に漏れず、股間の食い込みが激しい「Tフロント」というべきワンピースやセパレートなどの水着をよしのは着こなしている。
 その着こなしだが、165センチという身長以上にすらりと長く感じる手足で見栄えがする。カメラにお尻を突き出し、長い脚を強調するショットは壮観だ。Amazonレビューにもあったが、懐かしの「隆行通信」を想起させる。

 エロを見せつける演技も堂に入ったもの。胴体部分を丸くくり抜いて下乳を見せる変形競泳水着でのアイス舐めは、悩ましく上目使いしながら「チュッ」「ジュボッ」と吸い込み音を立ててしゃぶる。さらに「フフ…」「ウウン…」と、相手(何の?)の反応を楽しむかのような含み笑いやあえぎ声が興奮を加速させた。
 さらに注目すべきは、股間や尻など局部を接写されているときにつくっている表情である。セクシーな表情と言ってもいろいろあるが、よしのの場合、M字開脚で突き出した股間を画面いっぱいに見せつけながら、なおかつ目を細めて蔑むような冷たい視線を視聴者に投げ掛けているのが非常にそそった。
 バラエティー番組での壇蜜(よしのより1歳上)が見せるように、異性に媚びる視線とは極北にある。オイルを垂らされた、水着の食い込みまくった股間をぐいっと突き上げながら「へー、あんた、こんなオバサンの股間見てハアハアしてんの…?」とSっ気にあふれた表情をこさえる。こうした視線は、複数のチャプで堪能することができる。

 ことほどさように、処女作とは思えぬよしのの心意気を作品の端々で感じることはできたが、そのまま手放しで褒める出来とはいかない。これは主にスタッフサイドの責任だと言わせてもらうが、演出がどうにも繊細さに欠けるというかね。
 先ほど、よしののアイス舐めを褒めたところではあるが、このチャプターではまずカメラワークの気の利かなさが目に付いた。せっかく前述のように「フフ…」と含み笑いしながらエロくアイスを舐めているというのに、なぜか四つん這いの尻をカメラは追う。尻の接写はそれはそれでうれしくないわけではないが、まずは顔側に寄るべきだろう。
 しかもよしのはほぼ垂直に立てた棒アイスを上下にしゃぶっているらしいのに、その絵を後ろから撮ってるだけで正面に回らない。一体どういう料簡なのかと思わずにいられなかった。

 重ねて申し上げたいのは、白ブラウスに黒タイトスカートのチャプターである。楚々とした佇まいから、よしのは長机にあお向けとなってパンストに包まれたM字の股間を接写させる。服装とポージングのギャップがそそる重要な局面だが、ここから先が尻つぼみと来た。
 どういうわけか、よしのが普通に立ち姿で2種類のパンストを履き換えているところを引き絵で淡々と撮るだけでブラックアウト。いや、これはさすがにねえでしょうと思うの。パンストに対するフェチズムへの造詣ある方々はこの映像を堪能されているのかもしれないが、その辺どうなんでしょう。
 全体を通してもれなくBGMはでかいし、せっかく風呂場にいるのに体洗いなどもなし。それにやたら階段とか無機質な場所のグラビアが多くて、ベッドシーンなど「体温」を感じさせるエロいシチュエーションも用意されていない。よしののエロの潜在能力を十全に引き出すお膳立てをした作品とは、とても言い難い内容だったというのが正直な感想である。

 とはいえ、現在のグラビア界は壇蜜が先鞭をつけて「アラサー」ブームが巻き起ころうとしている。マスコミは柏木の新作DVDに引っ掛けて「アラサー・ビッグウエーブ」の到来を予期し、「グラビアン魂」のみうらじゅんリリー・フランキーも「30代のグラビアは珍しくない」とお墨付きをしている。
 こんなおいしい状況なのだから、31歳のよしのには改めてIV界への殴り込みを果敢に実践してほしい次第である。I―ONEやイーネット・フロンティアなど一流メーカーで躍動するよしのを見てみたいものだ。まあ「エレガ」シリーズにこれまで出たグラドルが、それ以降新作を出せていない事実はネックではあるが。