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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

秋山莉奈「ボクの彼女」(エアーコントロール、安倍雄治)

 これまで上村知之、安倍雄治、加納典譲といったギルド勢が主に担当してきたエアー・コントロール社の名シリーズ「ボクの彼女」。最新版のモデルを務めたのは「オシリーナ」の異名を持つベテラン・秋山であった。監督は安倍である。

 かつて晋遊舎から「失楽園」(2006年)という名作を出し、IV界では押しも押されもせぬ存在である秋山であるが、私は実はこれまで彼女の作品をきちんと見たことがなかった。理由はといえば、吉木りさのときとほぼ同じである。あんまりネット界隈で「失楽園」を褒めそやすものだから、つむじ曲がりに毛嫌いしたというね。
 ただ秋山の場合は吉木と違ってかなり以前に売れ、同年代のグラドルの中では「上がり」感が強かったのと(深夜に冠番組持っていたっけね)、ここ数年はIVリリースのペースが落ちてきたこともあって私の中では(彼女の作品を注目することはないかな…)などと思っていた。
 そこへ「ボクの彼女」登板である。これまでスルーしてきたおわびも込めて今回初めて秋山の作品を購入したのであるが、いやはや出来は想像以上だった。快作と言ってよいだろう。

 「ボクの彼女」は、いわゆる「盗撮」をコンセプトにした異色シリーズで、これまで尾崎ナナ古崎瞳浅倉結希くぼたみかといったモデルが出演してきた。文字通り隠しカメラを駆使してグラドルの日常…着替えや入浴、ストレッチなどを遠巻きに堪能する背徳感あふれる内容が売りである。
 こういったハードな内容ゆえに、秋山のような既に功なり名を遂げたグラドルなら温い演技になる不安も見る前はあった。しかし彼女はプロとして与えられた役割をきっちりとこなし、緊張感のみなぎる内容となった。

 秋山の役どころは高校教師。カメラ視点の男子生徒は秋山へ一方的な恋心を抱き、彼女のバッグに隠しカメラをひそませて一挙手一投足に目を離すまいとする。バッグのすき間から、豊満な尻を強調する秋山の競泳水着がカメラに収められる。



(チャプター2)


(チャプター3)

 余談だが、この場面で出てくる屋内プールはIVはおろか、アダルトビデオの撮影でもよく使用されることで有名である。その上、秋山は『SPA!』2月5・12日合併号の「グラビアン魂」でもこの「例のプール」で撮影しており、妙な奇縁を感じさせている。扉ページが秋山の登場しない「例のプール」の実景だけだったのには笑ったが。

 個人的に作品の最初のヤマ場は教室のシーンだと思う。カメラ主観の男子生徒は、秋山が同僚の男性教師と教室で抱き合う姿を目撃してしまう。当の秋山は同僚教師へキスした後、体が火照ったかのごとく大胆に服を脱ぎ捨てていく。カメラに投げ掛ける視線も悩ましい。下着姿となった彼女は、椅子や机を利用しつつポージングを展開する。





(チャプター4)

 カメラ目線で肢体を見せつける演技にはすきがなく、見る者に早送りを許さない。机に腹ばい突き出した尻を接写した光景は壮観の一言に尽きた。個人的に、このチャプターは今年のIV界を代表する名チャプターだと思う。

 次のヤマ場は、ベージュのチューブビキニでの入浴シーンだ。このチャプターでは浴槽の下部に仕込んだカメラが活躍。バスタブにやや開脚した状態で腰かけ、うつむきながら太ももや尻を素手で洗う秋山の姿を真下からのアングルでとらえており、問答無用の迫力がある。





(チャプター7)

 「ボクの彼女」は、いわゆる砂浜でキャッキャウフフ跳ねて胸や尻を揺らすような一般的で健康的?なIVとは一線を画した作りとなってるが、今作では屋内でのストレッチシーンである程度補っている。ステップを踏みながらの尻揺らし、ばね仕掛けのリングを太ももではさむ場面はカメラを固定しみっちり局部を接写している。



(チャプター8)

 そして最後のヤマ場は、秋山の寝床に男子生徒が忍び込むシーンであろう。安倍は戸田れい「Honey Days」でもソファで寝入った彼女の体を義弟が愛撫するシーンを撮っており、いわば勝手知ったるシチュエーションだ。




(チャプター9)

 ここでは秋山が目を覚まさないように細心の注意(?)を払いながら、接写した尻や太ももを愛撫し、揺らしまくる。締めはカメラが近づき、秋山の唇にフレームを押しつけるキス。戦慄を覚えるようなストーカーの倒錯した感情を疑似体験できる瞬間だと思う。

 注文をつけるならクライマックスのチャプターか。秋山へのやるせない思いが噴出した男子生徒は、体育倉庫に彼女を呼び出し激情のままにブラウス、スカートを脱がす。スリリングな場面だが、男子役の脱がす手つきがどことなくモタモタしている上、カメラワークもどこかばたついていたので見応えという点では物足りないのが正直な感想だ。まあ「ボクの彼女」シリーズは、だいたいラストが結構尻すぼみになるんだけどね。

 かように最後でこそ少しみそはついたが、秋山の熱演は一線級グラドルとしての復活ぶりを満天下に知らしめた。2chの秋山スレでも「続編を希望する」という惜しみない賞賛が寄せられている。
 個人的にも、吉木の「楽園」「失楽園」…奇しくも秋山の出世作と同じメーカー、タイトルだが…を見たときと同じように、「吹っ切れたグラドルの作品は素晴らしい」という思いを持つに至った。今年のIV界を振り返る上で欠かせない作品となろう。

 最後に書くのもなんだが、今作で一番お気に入りのシーンは、男子生徒の妄想に出てくる秋山のシーンである。更衣室で秋山が、含みを持たせた笑みをたたえ「知ってるよ…ずっと見ていたの…」と男子に語りかける。



(チャプター6)

 ロッカーに映る秋山の影が、セリフに合わせて口を動かしている。非常に幻想感あふれる映画的な演出で、強く印象に残った。