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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

グラビアDVD業界の裏切り者・倉持由香氏の言動を批判する4

 倉持氏の言動を批判する記事も今回で最終回にしたいと思う。

 まず書きたいのは、倉持氏が語ってきたことへの抗議ではなく、語られていないことへの抗議である。倉持氏はグラビアDVD大規模規制を強行したAmazonの片棒をかつぎ、Buzzfeed徳重辰典氏や真実一郎氏のインタビューでは露出過多に悩むグラドル仲間の救済などを理由に持ち出して正当化に努めており、それへの私の反論はこれまでの記事で行った。

 一方で彼女は、グラビアDVD業界において欠かせない存在であるはずの人たちへの言及を一切しておらず、まるで黙殺するような態度を取っている。その黙殺している対象とは、私のようなグラビアDVDユーザーである。

 これには全く納得できない。テレビ番組にしろ映画にしろ、視聴者や観客というのはそうしたコンテンツを作製する上でマーケティングは欠かせない存在のはずである。

 ものをつくる者がいて、作り上げた商品を購入し、使用する者がいる。ものづくりに携わる人々にとって、ユーザーの意見に耳を傾け、商品のブラッシュアップに力を尽くすのは欠かせない取り組みと言っていい。

 各種インタビューでの倉持氏の発言には、そうしたグラビアDVDユーザーの意見を吟味した形跡が全くみられない。そりゃそうだろ、ユーザーの話を全くしないわけだから。自身のグラビアDVD規制への主張を貫くなら「DVDユーザーからも露出過多の作品への苦情が多く来ている」など(そういう意見が本当に来ているのが大前提だが)、需要の側にいるユーザーの意見を反映させるのが筋だろう。

 しかし倉持氏はグラビアDVD大規模規制の正当化を主張する際、ユーザーの意見を全く表に出さなかった。これは結局、1枚約4000円という決して安くないDVDを購入するユーザーを置いてきぼりにしたものであるとして、通算3000枚近いグラビアDVDを購入・観賞してきた私のような消費者にとっては、とうてい承服できないやり口だと言わせていただく。

 

 また倉持氏は、グラビアDVD業界を罵倒し切り捨てる一方で、雑誌グラビアや写真集など、紙媒体のグラビアを過剰に持ち上げている節がインタビューから見てとれる。まるで紙媒体のグラビアが天国、グラビアDVDが地獄であるかのように語っているが、この辺にも疑問を呈せざるをえない。

 そう思う一例が、倉持氏が持ち上げる「モグラ女子」に対するグラビア業界の扱いである。モグラ女子とは、普段はファッション雑誌などで活動し、グラビアにも挑戦する女性モデルのことで、片山萌美朝比奈彩久松郁実がその代表格とされている。倉持氏は各種インタビューで、スタイルの洗練されたモグラ女子に対して「かなわない」と早々に白旗を挙げ、DVDでも過激なことをやらなくてすむと羨望のまなざしを向けていた。

 ただし実態として、モグラ女子というカテゴリはグラビアにおいてハイペースで消費されようとしている。その一例がモグラ女子のトップたる片山で、既に週刊誌で全裸となり、バストトップをさらした過激なグラビアが掲載されている。

 これによって、私は「モグラ女子のブームも、2017年であっという間に消費されて終わるな」と確信めいた思いを抱いた。片山本人も納得しての全裸グラビアだったのかもしれないが「結局脱がされて終わり」という、グラビアのイメージビデオが出現する前から長年続くグラビア業界の悪しき慣例を見せられた思いがして、気分が悪くなった。

 倉持氏はグラビアDVD業界に見切りをつけ口をきわめて罵り、雑誌グラビアこそグラドルの戦場だと各種インタビューで息まいているが、そうした雑誌グラビア界の旧態依然とした現状に何の疑問も抱いていないのだろうか。「グラビアは全部見せてしまったら終わりだ」と、インタビューで倉持氏は持論を展開したが、モグラ女子の待遇を見て何か思うところはないのか、問うてみたい気持ちがある。

 

 あと倉持氏はグラビアDVDに代わるグラドルの活動フィールドとして、AbemaTVを挙げている。AbemaTVでは倉持はじめグラドルが大挙出演している生配信のプログラムが多数編成されており、倉持もグラドルが爪痕を残す場として大いに奨励しているのだが、個人的には全く見る気が起きない。

 TwitterのタイムラインではAbemaTVのグラドル多数出演の番組の短時間動画を上げたツイートが流れてくるのだが、平成ノブシコブシの吉村崇がグラドルたちの後ろでパンツ一丁の格好ではしゃいでいたり、5~6人のグラドルがうつ伏せ状態で上にのしかかり、その尻をカメラが追った画面がサムネイルで表示されている。

 正直に言って、下品だ。グラビアDVDを曲がりなりにも約3000本観賞してきた私としては、こんなネット番組にグラドルが大勢で出ても目立つことに気が行きすぎて、グラビアのスキルは全く向上しないと言いたい。それよりもグラビアDVDの制作に取り組み、カメラマンや監督と1対1で緊張感あふれるやりとりをしながらセクシーな演技を生み出す方が、よほどその後のグラビアのみならぬ芸能活動で財産になると言わせていただく。

 最後に、倉持氏はグラビアアイドルの地位向上に各種インタビューで言及しているが、大事な訴えが抜けている。

 それは、労働条件の改善である。もっとハッキリ言えば、賃金アップである。

 グラビアアイドルがきつい環境で働かされていることは、もうここ何年も聞かされてきた話である。それこそ倉持が過剰に持ち上げる雑誌グラビアの業界なんてのは、宣伝だからという名目でギャラが出ないなんて話もまことしやかにネットニュースに上がっているのを何回か見かけましたわ。

 人前で水着となり肌をさらすという、多大なストレスのかかる仕事にかかわらず、その労働力に見合った対価である賃金がまともに支払われていない。これがグラドルを悩ませている根本であり、倉持氏が忌み嫌う暴露系グラドルの増加につながっていると言えよう。

 倉持氏もグラドル仲間につらい思いをしてほしくないと主張するなら、グラビアDVDというさして大きくない業界をAmazonの犬と化して排除に乗り出すのではなく、大局的な視点に立ってグラビア1本でも生活が成り立つくらいグラドルの待遇を改善するよう当事者の立場から訴えていくことが筋ではないか。

 雑誌グラビアや写真集、加えてVHSやDVDにブルーレイといったグラビアコンテンツに長年親しんできた人間としては、倉持氏にはもっと根本的な部分から問題意識を掘り起こしてもらい、賃金問題などの解決に乗り出すよう呼びかけたい。そのためにはグラビアDVDの根絶など、グラドルの数少ない活動拠点を根こそぎ奪うようなやり方に加担するのは金輪際やめていただきたいというのが、私の偽らざる希望である。