無料カウンター

マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

華名「マニュフェスト」(グラッソ、監督クレジットなし)

 先日石田紗英子「晴れのちドキドキ」をレビューした際、異業種IVのことについてちらちら書いた。
 その続きということもないのだが、今回紹介するのは女子プロレスラー・華名のファーストDVD「マニュフェスト」である。

 異業種の中で、最もグラビア(写真集、IV)とのつながりが密接にあった職業はと言えば、私はズバリ女子プロレスラーだと答える。何を隠そう、昔の私は結構な女子プロファンで、クラッシュギャルズ極悪同盟、ジャングル・ジャックのいた黄金時代のテレビ中継や1990年代に盛んだった団体対抗戦のVHSをよく視聴していたのである。
 キューティー鈴木尾崎魔弓の美人選手の台頭に合わせて、写真集やIVといった女子レスラーのグラビア展開がかなり盛んになったと思う。私が初めて目撃した女子レスラーの写真集は、全日本女子プロレス(全女)の外国人選手・メドゥーサ(後のアランドラ・ブレイズ)だった。その後、キューティーや尾崎はもちろん、豊田真奈美井上貴子福岡晶下田美馬といった当時のトップレスラーが次々と写真集を上梓した。ジャガー横田神取忍といった強面(失礼)も挑戦している。

 IVになると、作品が増える時期は若干ずれる。古くは北斗晶みなみ鈴香の「マリンウルフ」の出演作品があったりする(「アメトーーク!」でケンドーコバヤシがネタにしていた)が、リリースが盛んになっていくのは90年末で、中心は白鳥智香子や府川由美、脇澤美穂納見佳容浜田文子といった若手選手にシフトしていった。

 と、ここまで偉そうに書いておいてなんだが、私は彼女ら女子レスラーのIVをほとんど見たことがない。約15年前に尾崎の作品を見たことはあったが、露出が少なくて退屈だった記憶しかない。
 あ、気まぐれで「お船」というKAIENTAI―DOJO所属の覆面女子レスラーのDVDを見たことはある。ソフトがVHSからDVDへとっくに移行した2005年ごろの話だ。なかなかの巨乳、美人そうなくっきりした目元で期待したのだが、衣装もポーズも物足りない出来だった。師匠に当たり、饒舌で知られるTAKAみちのくが、彼女を評価するインタビューをかなり延々と語っているチャプターがあるのには、苦笑を禁じ得なかった。お船って、今どうしているだろう。

 その後は女子プロレス、ひいてはプロレス業界全体の衰退もあり、長らく女子レスラーのIVを見かけることはなかった。インディーズ団体「SMASH」の看板選手である華名のファーストDVDが店頭に並んだのは、昨年末のことである。
 SMASHといえば、WWEのエースをも務めたTAJIRIが旗揚げに参加し、一線級のグラドルとして名を馳せた愛川ゆず季が所属している団体である。最近すっかりプロレスに疎くなった私はせいぜいそれくらいの認識しか持ち合わせていなかったが、華名という名前には見覚えがあった。一昨年の夏、コンビニの本棚に並んでいた『週刊プロレス』の表紙を彼女が華々しく飾っているのを見たからである。それも定番である試合中の写真でなく、どういうわけかスーツに身を包みYシャツのボタンを外して豊満な胸(バスト95cm)の谷間を露出させたスナップという異色のものだった。
 その『週プロ』は結局買わなかったのだが、その号で「女子プロレス界の異端児」と称される華名は女子プロの改革をうたった「マニュフェスト」を発表している。このマニュフェストは彼女の代名詞といってもよいものらしく、今回リリースしたDVDの題名に使うのもうなずける。

 思いっ切り前置きが長くなりまくってしまったが、ようやく華名「マニュフェスト」のレビューである。しかし見終えて、いろいろと苦言を呈さざるを得ない。
 まず言いたいのは、イメージ部分のチャプターが少なすぎ、時間が短すぎという点である。裏パケに「4試合分を収録」てなアナウンスはあったが、それはダイジェスト映像と思っていた。がっつり試合をフル収録しており、その分量は収録時間約80分間の半分を費やしている。実際に見に来てくれる客を増やしたい意向なのは分かるが、IVを見たい人間に対してそれはないだろうという感じだ。
 イメージ映像のパターンも、わずか5つと少ない。冒頭の豹柄ビキニの下がローライズで、中腰となった際にヒップの割れ目、下乳がちらりとのぞくショットがわずかな時間にある以外は、露出は大したことがない。裏ジャケには、赤下着にYシャツを羽織った華名のショットが掲載されているが、これはグレースーツのチャプターにおいて、流れで撮ったものであろう。DVDの該当チャプターでは、華名はスーツ姿でシャワーを浴びて赤下着を透けさせる時点で終わりで、Yシャツの脱衣はなし。いわゆる「パッケージ詐欺」というやつである。
 ポージングはせいぜい四つん這いくらい。接写も胸に比較的寄っているくらいのもので、尻を正面から撮るような最低限の仕事もされていない。

 及第点をつけられるとすれば、黒のセパレート水着のチャプターであろうか。カウンターの上にけだるくあお向けに寝転びながら、氷を口と舌で弄んだ後、口の端から水滴がこぼれるのを構わずに横腹や太ももをその氷で愛撫するさまは堂に入ったものである。氷の破片をごくんと嚥下するのもエロスを感じさせた。
 作品の冒頭、華名はどんなグラビアを見せたいかという問いに対して「Sな自分を見せたい」と語っている。いわばファーストDVDの「マニフェスト」といって良いだろう。具体的に、どうSな華名を表現したかったのかは不明だが(所々で冷たそうな目線を不器用に投げかけていたので、それかもしれないが)、個人的にはMな彼女をもっと見たかったところだ。特典映像でのインタビューで発する華名の声はなかなかにキュートで、そうした声をギャップに生かしたMっ気ある映像を堪能したかった次第である。

 もし第2弾をリリースするのであれば、試合映像を中途半端に挟まずに、ガッツリと真正面からグラビアに取り組んでみせることをマニュフェストに掲げてほしいものだ。


(2012年1月23日、一部加筆)