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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

ほしのあき「Fantasia」(I―ONE、監督:舘野桂)

 今回取り上げるのは、今さら説明の必要がない大御所・ほしのあきの作品。それも2008年夏、ほぼ3年前にリリースした作品「Fantasia」である。かなり古いIVであるが、時々引っ張り出しては視聴している。
 この作品は、グラビア界のトップ中のトップを走ってきたほしのの凄みを感じさせる内容となっている。

 ほしのの凄さなんて、グラビアを嗜む人なら大なり小なり知っているよ、という方もいよう。そこで、ここからは個人的な見解の話となる。テレビメディアや写真集、雑誌グラビアなどあらゆる媒体で「最年長グラビアアイドル」の通り名に恥じないセクシーを見せつけてきたほしのだが、唯一攻略していなかったメディアが「DVD」だったのだ。
 ほしのがグラビア界で台頭してきた時期は2005年前後。雑誌や紙媒体で豊満な肢体を見せつけていたほしのだが、IVでは牽引者的な存在になれたとは言い難い…というのは私の見解である。この時期のIV界はかなり混とんとしており、旧態依然としたキャピキャピIV(アイドルが海辺ではしゃぐばかりみたいな)と台頭してきた「着エロ」ものが拮抗していた。
 いわばIVの端境期であり、この後少なからず着エロの影響を受けたアイドルDVDの過激化が始まって、現在に至る調子である。個人的に、IV過激化の波にうまく乗っかったのが松金ようこ夏目理緒森下悠里西田麻衣伊藤えみといった面々だと思う。
 一方で、既に名前が売れてグラドル全盛期を引っ張っていたほしの、熊田曜子安田美沙子磯山さやか小倉優子山本梓という面々が現代的なエロスをIVで表現する道は遠ざかった――私はそうみていたのである。

 思いっ切り前置きが長くなってしまったが、そこでほしのの「Fantasia」である。
 リリース当時は31歳、既に押しも押されもせぬトップグラドルだった彼女が、過激化の一途をたどるIVを名匠・舘野桂の演出で表現する――その試みは、単純にうれしいものがあった。
 物語の舞台はタイ。旅行で迷ってしまったほしのが男性の車をヒッチハイクし、そのまま彼の宿に上がり込んで彼女になってしまうという驚きの展開。まあこういう「旅先の偶然の出会い」から何がしか始まるというのは、1990年代の「フジヴィジュアルクイーン」からの伝統でございますので。
 勝手に上がり込んだ部屋で下着姿になってストレッチ&風呂場で体洗い。個人的には、風呂場のシーンが特に好きだったりする。舘野お得意の生音空間の中、グレーの下着姿で風呂に漬かりながら水と戯れるほしの。一緒に風呂に入った男性の髪を洗い始めるが、その手つきはどう見ても一種の「疑似的行為」である。さらに「かゆいところありますか〜?」と悩ましく問いかけながら上目遣いをするほしののエロさと来たら、必見としか言いようがない。
 不覚ながら、私はここで感動してしまった。グラドル界トップ中のトップであるほしのが、これほど過激な演技をしてくれるとは…と。その直後には、視聴者に挑むような目つきで胸洗いをじっくりとやる。このコンビネーションの良さは、IV界史上でも語り継がれるレベルのものだと勝手に思っている。

 これだけ過激な演技をした後のチャプターでは、えてして演出がおとなしくなるというのはよくあること。引きの映像ばっかになったり、モデルがはしゃいでいるだけだったりとかね。
 「Fantasia」では、衣装や演出にメリハリをつけて視聴者を飽きさせない構成になっている。舘野らしい正統派のにおいを残しつつも、演出は冒険心にあふれている。
 ウエートレス姿になってサクランボを大胆にくわえて舐める。お尻が見えかけた極小の水着で洗車した後、その車内でビキニの胸をつぶすように寄せて誘惑する。彼氏の目を盗んでほかの男性を逆ナンパし、優雅なワンルームで黒下着姿になり気だるく誘う。体のラインくっきりと浮かぶ競泳水着姿を見せつける…などなど。

 さまざまな顔を使い分けてカメラの前に立つほしの。この作品を見終えた後、視聴者は必ず彼女の虜にされているはずだ。
 過激化してやまない現代IVにトップグラドルが果敢に挑んだ作品としても、また純粋な内容の良さでも、後世に語り継がれるものだと私は確信している。
 ここまで評価すると「単におまえがほしのファンなだけだろ」と言われそうだというのは、十分承知している。ただ「Fantasia」以降の作品もオレは買うようにしているんだけど、それらの内容は正直う〜〜〜ん、と首をひねってしまうんで。