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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

葉加瀬マイ「MY LOVER」(竹書房、監督:中北直)

 「ミスFLASH2012」の一人、葉加瀬の新作は「女教師×男子生徒」もの。
 このテーマの大家というと、真っ先に安倍演出が思い浮かぶ。寡聞な私は、中北の「女教師もの」を見るのはこれが初めてかもしれない。

 ただし、作品内容は安倍のそれとはだいぶパターンを異にしている。家庭訪問と称して、男子生徒の家を訪ねる女教師・葉加瀬。この導入では安倍作品でも何度となく見られるものだ。
 しかしここから、物語はいきなりの展開となる。男子の両親は不仲で、互いに夜まで帰宅しないという。それを聞いた葉加瀬は、コップをいかにもわざとらしい感じで落とし、おごそかな動作で床を拭く。カメラがとらえた後ろ向きにかがむ彼女は、どういうわけかミニスカがたくし上がってパンストに包まれた尻が丸見え。そしてその尻を悩ましく左右に振り振りするのだ。
 男子生徒(カメラ)の視線に気づいた葉加瀬は特段恥ずかしがる様子もなく、甘ったるい声で「濡れちゃった〜あ…」。やがてブラジャーに包まれた93センチの美巨乳をさらし、めくるめく媚態を男子に見せつけるのである。

 うーむ、やっぱり別の種類のビデオみたいな紹介になってしまったな。ただまあ、見ているこっちとしては結構度肝を抜かれる形となった。
 安倍演出なら、男子生徒は葉加瀬の麗しい姿を見てあれこれと妄想を膨らませ、彼女に「どうしたの?」と言われてわれに返る…そんな導入をきっと手掛けたと思う。安倍作品で、妄想は重要な要素だ。
 中北はそういった妄想の類を取り払い、身もふたもないほど教師と生徒の壁を超えた男女が享楽に耽(ふけ)るさまをド直球に描いてみせている。良く言えば保守的、悪く言えば「マンネリ」wな演出をよく施す中北としては、かなりの決断が要ったのではないだろうか。

 その後も徹底して、引き返せない恋に落ちた年の差カップルのあられもない姿が描かれる。
 風呂場のチャプターでは、直前の海のチャプター(表パケ)と同じ紫ビキニで体洗いを始める葉加瀬。ここで何と約3分間、豊乳を自らリズミカルに下から揺らし、谷間をしごくさまがみっちりと接写される。そしてタイムラグを置かずして、泡だらけの腰をくねらせながらの尻洗いに移行。そして男子生徒の「頭を洗ってあげる」ていで、バストを揺らして両腕を勢いよく動かす運動を2つのアングルからやり切ってみせた。
 いやあ、もう、これぞ「おなかいっぱい」です。そういうセリフが自然と口をついて出るほど中北、葉加瀬ともども全力投球のチャプターだったと思う。付け加えれば、胸をしごきながら見せる葉加瀬のアルカイック・スマイルも良かった。

 作品のテンションは中盤も落ちない。両親との不仲を嘆いたのか知らないが、葉加瀬は男子を自宅に泊めてしまう。朝のベッドのチャプターでは「泊まっちゃって大丈夫?」みたいなセリフを葉加瀬が吐くのだが、大丈夫なわけねーだろ! とんだ不良教師じゃねーか!! と見ているこちらはツッコみたくもなる。
 しかし画面の中の葉加瀬は、奔放な行動が加速していく。先に書いた朝のベッドでは激しい上下運動を披露(アングル的に騎上位と対面座位をイメージさせる)。学校で2人きりのシーンでは、スリルを楽しむかのようにブラジャーを生脱ぎし、解き放たれたかのようにノーブラ乳を揺らして校庭を駆け回る。はたまた屋内では、小さいタンクトップで露出した下乳を指先でいじくり、挑発してみせる。

 こう書き出してみると、どうにも下品な作品のように思えるかもしれない。嫌悪感を抱くブログ読者も多かろう。ただ私は、この作品に並々ならぬシンパシーを寄せてしまってもいる。
 ラディゲの小説「肉体の悪魔」とか、映画「個人授業」を今さら引くまでもなく、若き青少年が年上の女性とのセックスに溺れるというプロットは創作においてもはや古典といってしまってもよい。こうした古典的な筋立てを、安倍作品のような「妄想」というコーティングを施すことなく真正面から描き切ってみせたことには快哉を叫びたい次第である。
 個人的には、榎本ナリコセンチメントの季節」の一編を思い出したぜ。恋人もいない妙齢の女性中学教師が、ゲームという共通の趣味を機に幼い男子生徒を誘惑してセックスにふけりまくり、必然的ともいえる悲しい結末を迎える物語を。
 もっとも「MY LOVER」の結末はかなり投げっ放しで、見る側に委ねるものとなっている。安倍作品ならすべて妄想でしたでオチにつながるものだが、そのあたりも中北作品っぽい。

 注文をつけるなら、下半身の接写が弱かったかなと。中北と言えば尻、股間への執ような接写だが、下半身の悩ましさを強調するようなポージング(M字開脚など)は全編通じて弱いと思った。胸接写は前述のように「おなかいっぱい」と思えるほど十分だっただけに、次回作で改善してほしい点である。まあ「ミスFLASH2012」で薄々感じていましたけどね。
 あとは表情のつけ方かね。上記の通り、アルカイック・スマイルは良かったけどそれだけではグラドル氷河期および戦国時代は勝ち抜けません。もっと苦悶の表情とか、バリエーションのあるパフォーマンスをしないとね。