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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

佐山彩香「好きがとまらない」(竹書房、加納典譲)

 昨年11月発売で、2012年の個人的IVランキング22位となった作品。付け加えれば、弱冠19歳の佐山が初めて「IVセンバツ」に出場する決め手となった作品であり、彼女がグラビアアイドルとしても大きく飛翔するきっかけとなる一作であろう…さすがに大上段に振りかぶりすぎましたか。

 デビューから4年。「日本一かわいい女子高生」というキャッチコピーも得て若手グラドルのトップをひた走ってきた佐山だが、IVに関しては客観的に良作をコンスタントに出してきたとは言い難いものがあった。
 佐山のIVは、本作が出るまでの通算12本のうち半分ほど視聴した。全体的な印象としては、85−59−87という弾けるようなボディーを艶めかしく接写するよりも、飽くまでかわいらしさを強調した映像が大半を占めていた感じだ。

 そこへきて「GTO」(2012年7−9月クール)のリメーク版にドラマ初出演したという佐山。うーむ、これはもうIVのクオリティーは温くなる一方かなと思い、最新作「好きがとまらない」も正直言って期待が薄いままだった。
 それが発売日、DVDショップに並ぶ「好きが―」のジャケを眺めてみると、何かが違う。一言では言い表しにくいが、裏パケの写真でカメラ目線をしながら腕組みして胸を持ち上げたり、後ろ向きの尻を突き出す佐山を見ていると「これまでとはどこか違うな」と感じるものがあったのだ。この感情は松下李生「いけないセイト」を購入したときと似ているかもしれない。

 果たして「好きがとまらない」を見終えた後、私はその内容に「これだからIV視聴はやめられないんだよ!」と新鮮な感動を覚えずにはいられなかった。いやはや、まだ10歳代の身空でここまで思い切ってやったなと。
 内容についてだが、ストーリーに一貫性はない。まず序盤はメガネ姿の佐山が女子大生に扮し、家庭教師業に身をやつす。開始すぐ、短過ぎるタイトミニスカート姿の佐山が足を組むとむっちりした太ももの奥のパンチラを披露する。このカットにモデルの佐山、そして加納ら演出側の並々ならぬ気合いを感じたのは私だけだろうか。
 宣伝のかいあって男子生徒の家庭教師に就いた佐山だが、カメラ側の男子の視点は彼女の顔やボディーばかり追って集中していない描写。それを察した佐山が、いたずらっぽく「もう、個人授業しちゃうぞ!」と笑う。いやあ、攻めるねえ。佐山ファン的には複雑かもしれないけど。
 そして佐山は、その挑発的な言葉を裏切ることなくおごそかにニットのノースリーブ服をたくし上げ、ベージュのヌーブラに包まれた胸をカメラ目線しながらしっとりと両ひじで寄せてアピールする。ポップ飴を舐めるシーンも、普通には舐めない。カメラから視線を外さず、舌先を時にはチロチロさせながらたっぷりと舐め上げるのだ。こういった技はこれまでの作品にはなかったもので、このチャプター一つとっても「今までの佐山とは違う」と感じてもらえること請け合いだと思う。

 まあ佐山もうら若き19歳の乙女、セクシー演技がこの冒頭で打ち止めということもあり得るなと疑り深い私は想定してもいたし、それで終わってもまあ十分で、今後に期待できるかなと思ってもいたのだが、さにあらず。彼女のリミッターを外したセクシー演技は、チャプターを追うごとに加速することになる。
 まず緑色の緩いタンクトップのチャプター。飽くまでも健康的なストレッチの体を取りつつ、小型のボールを使って運動する佐山からはいけない想像をかき立てられて仕様がなかった。ボールの上にあお向けになって体を反らすのから始まり、ボールの上にお尻を乗せて上下運動をしだす。M字開脚になりながらの動作が、思いがけず激しい。
 そして最終的にはボールに腹ばい、激しく上半身を前後に律動させる。一心不乱にその運動を行う佐山を、そのお尻の直前で見下ろすように長回しで撮り続けた映像。よくカットしなかったなと思わざるを得ないセクシー映像であった。

 サプライズはまだ終わらない。佐山は今度は女子高校生役を演じ、アルバイト先のメードカフェを舞台にしたチャプターを送る。ここでの衣装が腹部を全開、パンチラ上等のミニスカと奮っている。
 しかし衣装の露出だけでよしとさせないのが今作の佐山だ。加納はここで、店内の拭き掃除にかこつけて佐山に尻を使った机の雑巾がけ、さらには床に足を下ろしM字開脚をさせながら足を使わせて机の脚に雑巾がけをさせるのである。飽くまでいたずらっぽく笑いながら足を上下させる佐山にはただならぬエロスを感じるし、カメラはさらにM字の股間を接写で撮るのである。
 さらに佐山はバニラの棒アイスを飴同様にたっぷりとカメラ目線で舐める演技に没頭、見る側に息をつかせない。個人的にはこのくだりが作品のハイライトであった。

 ストーリー自体はメードのチャプから展開を見せる。客として会った年上の男性に心引かれた佐山は、大胆に水泳のコーチを申し出た。果たしてプールで個人授業を受けるチャプターに入るのだが、ここでも佐山は冒険に出る。ピチピチの緑色の競泳水着に身を包んだ佐山が、コーチ役の男性を誘惑しようとするのだが、暑い体を装って胸元をしきりに引っ張り谷間をアピールするのである。「どう?私の小悪魔的な魅力は…」という心の声はその聞き取りづらい棒読みも相まってほほ笑ましいセクシーさがあった。
 その後も佐山は、男性のハートをかちとるためにわざと相手(カメラレンズ)に胸をぶつけたり、相手の眼前にバタ足中の尻をたっぷりと接写で見せつける。固定した状態のカメラが佐山のムチムチした肢体のパーツをしっかりと凝視するように接写するのも、今作品の特徴であろう。競泳水着のチャプターでは、ほかにジャージを着た状態で股間を雰囲気ありげに突き出したところを接写しているので、ここは股間派も注目だろう。
 結局プールでの佐山の懸命なセックスアピールは相手に届かず、彼女は「鈍感!」とふくれてしまうのだが、その物語の結末が気になる方は、見て確かめていただこう。

 個人的には、ラストのベッドシーンでの下半身接写が甘かったな…と思わせるきらいはあったにせよ、全体としては「佐山覚醒!」を十分に感じさせる出来だった。
 エロスを表現する総合的な演技力でいえば、昨年の個人的なIVランキングで1位を取った鎌田紘子や2位の柏木美里に劣るのは否めないが、佐山はまだ19歳である。同年代でしのぎを削る仲といえる村上友梨が、最新作「Twenty」でも20歳という年齢相応のセクシーの範疇(はんちゅう)に収まっていたことを考えれば、非常に思い切った方向転換をしたと思うのだ。そうした佐山(と所属事務所)の果敢な姿勢は大いに評価されてしかるべきだし、私もその意気に感じて「IVセンバツ」出場者に抜擢したという部分があったのである。

 佐山は2月にイーネットから新作IVをリリースする。私が書くまでもなく、この作品は彼女にとって正念場であろう。
 「好きがとまらない」の到達点をどれだけ維持し、発展させた内容に仕上げているのか、それとも後退するのか。若手トップグラドルの佐山だけに、ここでの出来がIV界の今後に少なくない影響を及ぼすであろうというのは決して大げさな物言いではないと思うのだが、どうだろうか。