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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

山口沙紀「願望図鑑」前編(イーネット・フロンティア、監督:上村知之)

 「生音」を強調し、カメラマンとモデルとの間の緊張感、臨場感を極限まで表現する試みに挑んだシリーズ企画「願望図鑑」。成海舞戸田れいといったモデル相手に問題作を次々リリースし、今年のIV界の話題をさらっていった。この反響に応えるかのように、年の瀬にシリーズ第3弾がお目見えとなった。
 モデルは山口沙紀ファンタスター所属の26歳…というありきたりなプロフィルより、「ミスマガジン2007」「ミスマリンちゃん」の肩書の方が通りよいだろう。個人的に、彼女の印象はほとんどない。ミスマガでは受賞当時、22歳と比較的年長とあってお姉さん的な扱いを受けていたのは知っているが、あまり食指は伸びなかった。あと3年ほど前にTBS系「あらびき団」に出演していたことはうっすら覚えている。ただそのときは、共演していた事務所の後輩の佐々木麻衣の方が目立っていたと思うが。

 こんなわけだから、彼女が今までリリースしていたDVD(過去7枚)など視聴した経験がない。ネット動画でどれかの作品の1チャプターを見てみたが、残念ながら特に印象はなかった。
 さんざんな書き出しで申し訳ないが、まあこちらの先入観があったことは否定できない。なにせ「願望図鑑」の前作は戸田である。彼女のグラドル人生、ひいては全グラドルでも屈指と言えるパフォーマンスを見せた戸田を乗り越えるなんて、そうそうあるわけがなかろう…そうした偏見が頭のすき間に入り込んでいたのが、率直な思いはあったろう。ただ私は山口のグラビアスキル、潜在能力についてほとんど事前知識を持たぬまま「願望図鑑」の観賞に入れたので、彼女に未知数の期待を抱くことができたのも事実だ。

 さて、どうにも能書きが長くなりすぎたようだ。ここからは、戸田版にならってチャプターごとの前後編レビューで送ることにしたい。チャプターの概要を紹介しつつ、短評を加えていくあの(あのって何?)スタイルだ。それではご笑覧ください。

 【チャプター1】
 自室でくつろいでいた山口のところへ、一件の電話がかかる。友人の「ユキ」という女性が、山口に実入りのよいアルバイトを紹介するという。山口は快諾し、後日、アルバイト現場となるマンションを訪ねる。仕事内容は撮影モデル。別室で着替えた後、カメラマン・北森の指示のもと撮影を開始。足の組み替え、抱え込み、後ろを向いてのひざ立ち四つん這い…その過程でスカートがめくれるにつれ、履いていたストッキングが股間から尻にかけて穴の開いたエロ仕様のものと分かる。恥ずかしがりながらも、ブラウスのボタンを外してベージュのブラジャーを露出させる。

 【短評】
 最初の電話のやりとりで、ニヤリとさせられる。山口にかけてきた「ユキ」とは、同じ上村演出の「支配妄想」に出演した最上ゆきのことだろう。あの作品は、カメラマンの狼藉に耐えかねた最上が友人にバイトの代わりを頼むところで終わっている。つまり「支配妄想」と今作品は同じ世界の出来事…ということだ。このくだりは、制作会社ギルドのブログでもにおわせているので確定でよかろう。ただ、「支配妄想」の最上は大学生の役だが、山口には同じ学生であるような描写はない。大学の同窓というわけではなさそう。実年齢では5歳差のある2人、どういう設定で結びついた友人なのだろうか…などとふと考えてしまった。
 さてこのチャプターの目玉は、股間から尻へと丸くくり抜かれた変態ストッキングの登場であろうか。着替えシーンではうまくカットしていたので、あお向けからの足抱え込みからのぞく股間ショットを見て「アレ?」と二度見した御仁も多かろう。撮影が進む中でスカートはずり上がり、後ろ向きにソファに座ってからは四つん這いの尻を妖しくくねらせてみる。ただ接写が若干弱い。角度も斜めからのものが大半で、尻を振りながら不安そうにする山口の横顔が映り込んでいる。
 (うーむ、この作品は接写にあまり期待できないのかな)とネガティブな印象を持ってしまったが、尻振りのキレがこの時点でかなりよいと感じていたのでそちらの方面の発展を期待しながら次に進んだ。

 【チャプター2】
 シチュエーションは風呂場で、山口は白の競泳水着を着用。まずは後ろ向きの状態でシャワーをかけられ、上半身をくねらせる。両手のひらに大量のローションを盛られ、浴槽のへりにまたがった状態で胸、腹部や太ももに塗りつける。体勢を変えてカメラに後ろ向きとなって浴槽にまたがり、ゆっくりと腰を前後にスライドさせる。その後は水のない浴槽内に身を沈め、ひざを上げて強調された股間、手ずからローションを塗りつける胸にズームアップする。

 【短評】
 競泳水着は透ける素材で、シャワーを浴びせられる後ろ向きのショットでは尻の線がうっすらと観賞できる。山口は大量のローションを手に盛られた際、北森から要求されたことを一度拒絶している。その後「それなら…」と体にローションを塗りつけるのだが、最初に何を拒否したのだろうか少し気になる。
 カメラに背を向けて浴槽にまたがり、腰をグラインドする場面ではへりに溜まっていたローションの塊をブルドーザーのように尻で押し出すくだりがあり、なかなか趣がある。

 【チャプター3】
 山口の衣装は網目状の黒ビキニにシースルードレス。ウオーミングアップのように北森の体をけげんそうな上目使いでマッサージした後、自身があお向けとなりマッサージされる。やたらベタッとした固形状の乳液が山口の尻や太もも、胸に振りかけられ揉みたくられ、山口は拒絶感をあらわにした表情を見せる。しかしカメラマンの指示により黒ブラジャーを脱ぎ、再びマッサージを施される。撮影終わりに不機嫌そうな顔を見せる山口だが、取っ払いのギャラを見て旅館での撮影を決意する。

 【短評】
 うつ伏せの尻に固形状の乳液を「ボタ、ボタッ」という感じで垂らされ、「くっ」と小さくもだえながら尻をくねらせ逃れようとする山口。タッチに対する感度はかなり高いもようである。尻、あお向けの腹、そして胸を押し上げるように揉まれ、本気で嫌そうな表情をカメラ目線で見せているのが逆にそそる。
 北森に促され、渋々と黒ブラジャーを脱ぐのだがガードが固そうなのは変わらない、というか腕ブラをしてしまい、かえって胸の露出が下がっている件。結局シースルードレスを頼りにバストをガードしているし、カメラマンの手もビキニ着用時よりマッサージを遠慮しているし…。
 あと山口にギャラを現ナマで渡しているのが気になった。今の時代、ギャラ取っ払いなんてなかなかないでしょう。演出的にはなかなか見せてくれたけれども。

 【チャプター4】
 露天風呂のある旅館にやって来た山口。カメラマンに早速撮影を促され、青のワンピースのスカートをずり上げながらテーブルにひじをつき、四つん這いショット。「外から見えないですか…?」と不安がる。しかし撮影はエスカレートし、ワンピースをたくし上げてブラジャーを露出させた山口が、部屋の柱を相手に疑似セックスを披露。カメラワークがさえる中、山口は腰を上下左右に振り立てる。

 【短評】
 このチャプターで振るっているのは、何と言っても柱を相手の腰振りに尽きよう。何気なく和室の机を柱近くまで移動させており、山口の妖しい動きをアシスト。両足の先をテーブルに乗せさせることで、腰の動きをスムーズにさせている。
 決して接写に秀でているわけではないが、ワンピースをたくし上げ胸元を露出させる山口が腰を左右上下、さらにひねりを加えて斜めにもくねらせる様は悩ましい。カメラワークも心得ていて、何の先入観もなく(?)見ると、まるで柱と山口がセックスしているように見えると言っても過言ではないと思う。

 【チャプター5】
 露天風呂に柄ものの襦袢で入浴する山口。肌が火照ってきたころに、北森は衣装チェンジを促す。衣装と言っても青の布切れ一枚。山口は胸と股間をうまく隠しながら撮影に応じる。先に北森は退散し、山口はリラックスして露天風呂を楽しむのだが、盗撮カメラが彼女の様子をとらえているのだった…。

 【短評】
 個人的に、「願望図鑑」の露天風呂シーンは箸休め的な印象がこれまで大きかった。そういう先入観で見ると、山口の入浴シーンに「おっ」と思わせる場面が結構あった。ここでは、彼女のウエストのくびれがかなりアピールされている。
 青い布切れで体を隠し、浴場であお向けになって見せるのだが、そこでの腰のカーブにキレがあって目を奪われた。山口のキュッと締まった腰のくびれはグラドル界でも屈指のものだと、今さらながら納得した次第である。

 以上で、山口版「願望図鑑」レビューの前半戦としたい。活字で振り返ってみると、意外と静かな立ち上がりだったのだなと思う。序盤にも書いた通り、戸田版ほどの大胆な接写、パフォーマンスはこれまでないと思う。
 しかし腰のねっとりとした動き、時々映り込む複雑そうな山口の表情…大胆と慎重の間を絶えず行き来するような…には並々ならぬ「熱」がこもっているので、見る者を決して飽きさせない。そうした山口の熱演が作品の後半にじわじわと生きてくるのだが、それはレビュー後半戦で語ることにしよう。


※2011.12.12一部加筆。