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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

西田麻衣「Mai Time」(竹書房、Joe.M)

 さて前回の記事で書くつもりだった西田麻衣の新作のレビュー…であるが、またも前置きがある。いいかげんにしろとおしかりを受けそうではあるが、ここは一つ。

 グラビアアイドルがIVを出し続ける上で必ずぶち当たるのが「マンネリ化」という課題である。ネットをつらつら読むに、「マンネリ」と言われだす目安は5本以上といったところだろうか。同じモデルを同じ監督が続けて演出するケースも多いので、下手すりゃ3本見て「マンネリ」の印象を抱く人もいるであろう。
 デビュー7年目のベテラン西田は、最新作で24本目のIVリリースである。当然彼女もここ2、3年間IVのマンネリぶりを嘆かれた1人だ。特に彼女の場合、若くして「Pure Smile」「Mai Baby」といった佳作を世に出したこともあって、余計に「もっといいの出せるだろう…」というIV愛好家の忸怩たる思いが嘆きに拍車をかけていたのは想像に難くない。

 こうしたマンネリを打破するには何が必要か? まず考えつくのは、それまでの殻を破って過激なIVをリリースすることである。戸田れい「願望図鑑」などはその具体例の一つであろうが、そういうパターンは非常に希有の部類だと思う。ならばどういう形でマンネリを打破するのか、実は西田の新作「Mai Time」はそのヒントになる内容を提供していると見ていて考えた。

 その一つは「原点回帰」である。私は「Mai Time」の表ジャケを見て、ピンと来るものがあった。西田の最高傑作といって差し支えない「Pure Smile」の表ジャケとデザインが酷似していたからである。青の三角ビキニのカットをそろえるところからして、制作サイドの確信犯だとみているのだが、どうだろうか。制作も同じ竹書房だし。

「Mai Time」

「Pure Smile」

 「原点回帰」を思わせるのは、何もジャケットだけの話ではない。作中でも、「ピュアスマ」をリメークしたかのようなチャプターがある。第2チャプターで、ツインテールの西田がベージュビキニの胸を揺らしながらにこやかな表情で、かつ一心不乱に走る。色違いはあれど、「ピュアスマ」で赤ビキニの胸を縦に揺らしながらジョギングをしていた名シーンを彷彿(ほうふつ)とさせるものだった。

 この新作で特筆すべきは、先に書いたような、いわゆるオールドIVファンを懐かしい気にさせる「原点回帰」があるだけでなく、きちんと「新機軸」の演技にも挑戦している点である。

 まずは黄色の谷間を開けたビキニでのマッサージシーン。最初は西田がカメラ視点の彼氏にマッサージを施し、その際の揺れる胸をローアングルできちんと接写する。定番のシーンではあるが、三角ビキニからはみ出した西田の胸揺れを丁寧に追うカットはこれまでの作品でなかなか見られなかった趣があると思う。
 続いて今度は、西田がカメラ視点の男性にマッサージされる。どちらかというと下半身、尻揉みに重点が置かれ、胸揉みや太もも揉みなどでの股間接写を期待していた向きには不服があるかもしれない。しかし、うつ伏せ状態で尻をみっちりと揉まれた西田が最後に半開きの目で上半身をビ、ビクンとわななかせたのは非常に眼福であった。日向泉の「やわ肌アドレッセンス」を想起させる、地味ながらも名シーンである。

 そして風呂場のシーン。眼帯ビキニ姿の西田は、ここでスタッフの素手に体を洗われる演出に挑戦している。「ピュアスマ」ではブラシで胸を擦られるシーンこそあったが、他人の素手で胸や尻を洗われるのは初めてではなかろうか。後ろ向きの尻を洗われ、その手に尻をつかまれぐいっとカメラに映りやすいよう向きを直されるカットは、見ていて得も言われぬ背徳感が漂った。痴漢ものAVのテイストを感じたからだろうか。

 アイス舐めがなかった(「ピュアスマ」で「ああ〜ん、ちょうだい」とねだりながら舐める姿が印象的だった)とか、股間接写が少なかったという不満はあったにせよ、「マンネリと言われたままでは終わらない!」という西田の気概を感じることのできた作品であった。次回作も引き続き期待したい。かつて西田は、ほしのあきを目標としていることをイベントで公言していたが、今は西田こそが若手のグラドルに目標とされる立場なのである。
 前回の記事で書いた「AKB批判」含め、西田の言動がグラビア界に与える影響は大きい。そのことを認識することが、彼女の何よりの成長の糧になるとせんえつながら考えるのである。