今回紹介するのは、若干19歳の堤ゆきみ。バリ島を舞台に撮影されたファーストDVDである。
堤は、元『non−no』モデルという出自を持っている。女性誌モデルにはとんと詳しくない私なので、『non−no』がどうと言われてもピンと来ない。
ただルックスを見ると、独特な魅力を感じるというか。堀北真希にも似た、おさげ髪の似合う昭和風の見た目は異性にも好かれるし、同性にも敵をつくらないオーラをまとっているように感じた。
さてIVの内容であるが、バリ島におそらく恋人と来たらしき堤が、プールや花風呂、ベッドなどで飾らない姿を見せていく。よく言えばアイドルDVDの「正統派」な内容、悪く言えば「無難」と言うことになろうか。
露出については、Tシャツを羽織ったチャプターが大半であったし、ポージングについても、例えば尻を高々と突き上げて四つん這いするなどしたポーズはなし。露出やポージングの面で、演出側の冒険心を感じることはほぼ皆無であった。
そうした不満は接写についても同様。画質は全体的には鮮明で見やすいんだが、なぜかピンポイントでボヤッとエフェクトがかかってくることがある。しかも、マットにうつぶせして無防備になった堤の尻とか、そういう肝心な部分にエフェクトがかかるのだ。そうなると、何のためにIVを見ているのかという話ですよ(涙)。
ここまで書くと褒めようのない作品に見える。しかしそこは奇才・上村監督。制限が多かったろう中でも、思わずうなるシーンをセッティングしてくれている。
中盤に差し掛かる22分ごろ、堤は室内でエアロビダンスを披露する。なんだかラジオ体操のようで、あまりグルーブを感じない踊りであるが、途中で堤はクルッと後ろを向いてステップを踏み出す。
その行為は約1分少々の時間だが、カメラはその間、恋人の視点で思いっ切り堤の尻を凝視するような接写を繰り返す。まるでさざ波のように、堤の小刻みに揺らすお尻へのズームを押したり引いたり…。こうした何気ないエロ目線でのカメラさばき、何となくだがチュートリアルの徳井義実を思い出させた。
ほら、徳井って気に入った娘にチアリーダーのコスチュームさせるというじゃん。彼も女の子に後ろ向いて踊らせて、そのショットを楽しんでいたんじゃないの…そう考えさせるような、エロを潜在させる場面だったので、個人的にはお勧めである。
無難な作りとは書いたが、脱衣シーンは必ず下(スカートやズボン)から脱がせている。いわゆる「ぬるいIV」と言われないよう一線を画した演出を貫いているので、見る側のストレスはうまく抑えていると思う。
まあファースト作品だからという点でこちらもさまざま許容できているが、次回作があるならもっと踏み込んでほしいというのが率直な感想かな。