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マサトヰシグロシャムロック「G」@100年の共産党

グラビアアイドルのDVDをレビューしていくブログ。

戸田れい「願望図鑑」後編(イーネット・フロンティア、監督:上村知之)

 【チャプター7】
 自宅でくつろいでいた戸田を突然訪問する社長。「DVDが決まった」などと景気の良い話を持ち出し、部屋で撮影続行を宣言する。
 社長は持参してきたローションを茶色のビキニ姿の戸田にふりかけ、尻や太ももをマッサージ。シャワーや浴槽を利用したさまざまなプレーも指示する。グラビアのコツをつかんだ戸田の演技は、さらに妖しく、キレを増していく…。

 (短評)
 戸田、客を迎える格好で下がパンツだけってことはねえだろ。何か履けや。そういうツッコミが早々に出ては来るが、このチャプターは作品内で最も興奮度が高い内容だと断言させてもらう。
 まずは水を張った浴槽内で、浴槽などを擦る疑似的行為の復習。「もっとダイナミックに擦れ」と言わんばかりに、社長の実地的な指導が入る。
 次に社長がローションを使っての尻もみ、太もももみ。ここで初めてスパンキングが登場。戸田の太ももをたたく「パチン」という乾いた音が、風呂場内に響く。社長に大量のローションを尻に振りかけられた戸田は、従順に浴槽のへりに尻を滑らせる。カメラは、その長いストロークでスライドする尻をガッツリ接写する。
 そして、個人的に作品内最高と言えるシーンがやってくる。カメラは鳥瞰となり、浴槽にまたがった尻を擦りつけながら備え付けのシャワーの頭部分をしごく戸田をとらえる。泡まみれの両手を交互に使いながら、口が丸く出っ張ったシャワーを、そのモノの強度を確かめるようにゴシゴシと愛撫する。
 その手つきもさることながら、秀逸なのはその目線だ。「目は口ほどに…」と言わんばかりの艶やかな視線をカメラに向けたかと思えば、一転して視線はシャワーの口部分へ顔ごと近付いていく。ここは正直ビビった。「これでいいですか?」(ここでは「気持ちいい?」にしてくれた方が良かったが…)という言葉を添えて一心不乱にシャワーをしごく戸田を見て、「まさかシャワーをパクッと行く?」などと考えた次第(汗)。まあナマ音も手伝って、この場面で伝わる緊張感は半端なかった。
 作品の冒頭ではぎごちない笑みを見せていた戸田が、ここまで妖しい姿を見せるようになったのである。

 【チャプター8】
 風呂上がりからリビングに戻り、社長は戸田にクリーム色の棒アイスを差し出す。これも復習とばかりに、戸田は目線もキッチリとアイスをしゃぶる。その後はベッドの上で尻もみとスパンキング、ベッドの端に腰掛けての高速バウンド。

 (短評)
 アイス舐めの所要時間は2分40秒ほど。戸田は初め椅子に座りながら、後半は机の上で四つん這いになり、カメラ目線でアイスの味を確かめる。
 戸田は「DVDってこういうふうにアイスを舐めるんですか?」と社長に尋ねる。社長は事もなげに「そうだよ」と肯定。戸田は「じゃ、もっと練習しなきゃ」とポジティブにとらえ、舌を動かす。このやりとりを目にして、後戻りできないような罪悪感、背徳感とともにえも言われぬ興奮を感じたのは私だけではないだろう。
 社長はスキンを垂らしながら戸田の尻をもみ、さらにはベッドで高速バウンドする戸田の股間を接写する。不安になったのか、戸田の「DVDってこんなこともするんですか?」との質問の頻度が増える。まあ、確かに現在のアイドルDVDでは多く撮られる演技ではあるが…。

 【チャプター9】
 事務所を訪れた戸田。居合わせた女性スタッフから、DVDの話が事実無根であること、さらに社長が私的にアイドルの過激映像を保管していることを知る。これまでの撮影はすべてムダと知り、戸田は必死になってテープを探すが、すべては社長の手のひらの上。本性を見せた社長はそのまま戸田を拘束し、荒々しく陵辱する。

 (短評)
 このチャプターは、起承転結の「転」にあたる部分だけあり、作品内で唯一BGMがかけられる。
 しかし申し訳ないが、戸田が真相を知らされるくだりが少しおかしい。女性スタッフさんも、そこまで事実をつかんでいるならもう少し戸田を助けてやれよ。さっさと撮影に出かけてしまって、戸田を見殺しにしてんじゃん。てかグルかと?
 本性を現した社長に戸田は両手を拘束され、黒パンストに包まれた尻を爪を立てるようにもまれたり、スパンキングされたり。くぐもった声をあげる戸田の姿を見ると終盤の展開に思いを馳せ、暗澹とさせられる。

 【チャプター10】
 盗撮テープを所有されたという弱みを握られた戸田。社長の命令に逆らえず、出るはずもない「DVD」の撮影続行にも従う。今度はナース姿で風呂場へ。

 (短評)
 蛇口のところで両手を拘束された戸田。またも社長に執ように尻をもまれ、拘束を解かれた後も水中カメラで股間を接写される。
 戸田は特に反抗する様子がなく、ナース服を脱ぎ、カメラに尻を向けてゆっくりと上半身を前後運動させる。IVでは定番のポージングだが、この終盤で見せてくれることにはなぜか新鮮味を覚える。
 見返りで見せる戸田の表情は、諦観に至ったかのような穏やかな笑みをたたえていた。地味ながらも良いチャプターだと思う。

 チャプター11
 ラストはホテルで撮影。社長は白スーツ姿の戸田をベッドに押し倒し、M字開脚やベッド上でのバウンドを淡々と接写していく。
 そして締めくくりとばかりに、あお向けになった戸田に「ハメ撮り」風の撮影を敢行するのだった。

 (短評)
 これぞラストというべき、独特の緊張感に包まれたチャプター。ベッド上での腰バウンドはチャプター8でも行っているが、こちらの方が上半身の動かし方が生々しかった。
 そして社長の暴言をうつろに聞きながら、戸田は上半身を小刻みに突き動かされる。枕をつかんで耐え、すすり泣きながら「もうやめてください!」と哀願する…これぞ迫真といえる演技で、ラストに足るものだったと思う。

 【エピローグ】
 芸能事務所の一室。「アイドル鬼面接」と題した私家版DVDを再生する社長。野卑な笑みを浮かべて、戸田の着替え盗撮映像を楽しんでいる…。


 以上で「願望図鑑」の本編は終わりである。過激な内容と思われる方も多いだろうが、その過激さだけに頼らない丁寧な構成・演出が全体的になされていたと私は思う。
 また、物語の中で次々と怪しげな行為を要求され、戸田が「ほんとにDVDでこんなことするんですか?」と再三問うくだり。過激化が言われて久しいIV界に対して、当事者の一人である上村による問題提起がなされたと考えるのは、いささか楽観が過ぎるだろうか。作中では「シャワーを一心不乱にしごく」なんて、上村ならではの演出もふんだんに好き放題やっているわけだけど。
 ともあれ、2011年のIV界を振り返るとき、この戸田の「願望図鑑」を真っ先に論じなければならない…そう明確に思わせる作品であった。